子どもが好き
「子どもが好きだから先生になりました。」と言う声をよく聞きました。
確かに先生をしていく上では,子どもが好きであるということは大切なことです。
逆に言うと,子どもが嫌いな人がいるのだろうかと考えてしまいますし,そんな人は先生になることはないでしょう。
「子どもが好き」と言う先生が子どもと仲良く楽しそうに過ごしているのは,ほほえましいものです。
しかし,子どもには様々な子がいます。
いつも先生の言うことを聞いて素直に行動する子ばかりではありません。
気分が安定せずに,勝手なことをする子がいます。
先生が手を焼くようなことを言ったり,したりする子もいます。
人が嫌がるような行動をわざわざする子もいます。
先生である限り,子どもを叱ったり,注意しなければならないことがあります。
先生が叱れば素直に子どもが聞いてくれるとは限りません。叱ったことにより,益々険悪な関係になることもあります。
何度言っても望ましい行動をとってもらえないことが起こります。
「子どもが好きです」と言う先生は,実は自分の言うことを素直に聞いてくれる,聞き分けの良い子どもが好きであり,言うことを聞いてくれない子は好きな子どもに含まれないとしたら,どうなるでしょう。
「子どもが好き」というのは大切な要件ですが,扱いにくい子どもをふくめて子どもが好きかどうかが,先生として必要な資質になるのではないでしょうか。
令和4年4月20日